トラックポイントの”センターボタン+スクロール問題”まとめ(tp4table.dat)

ThinkPadと同等の機能を持つキーボードをデスクトップPCやスマホで利用できる、”ThinkPadトラックポイント・キーボード”という製品を、レノボが販売しています。

レノボ・ジャパン ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード

このキーボード、ThinkPadユーザには便利なのですが、実際のThinkPadで使うときと比べて、センターボタン+スクロールの振る舞いが、使用するアプリによって変わってしまう問題があります。
これについて、調べたので備忘録代わりに残しておきます。

はじめに

トラックポイントの振る舞いですが、ドライバをインストールするとtp4table.datというファイルが作られ、この中にセンターボタン+スクロール処理に関する定義が存在しています。

ファイルは、製品・ドライバによって異なるかもしれませんが、下記の場所辺りにあるはずです。
c:\Program Files\Lenovo\TrackPoint\tp4table.dat
c:\Program Files\Synaptics\SynTP\TP4table.dat
c:\Program Files\system32\tp4table.dat


また、センターボタン+ドラッグの振る舞いは、コントロールパネルでも一部設定できます。ですので、まずコントロールパネルのマウス設定からを変えてみると、思ったとおりに操作できるかもしれません。

tp4table.datの設定例

コントロールパネルの設定でうまくいかない場合は、tp4table.datの定義を書き換えます。
具体的には、特定のアプリ・入力エリア・操作に対して定義を書くのですが、自力で調べるのは難しいので、他のページで見かけた記入例を記載しておきます(出典をコメントに書いてあります)。

; Firefox
; http://web.t-factory.jp/nicotech/?p=148
*,*,firefox.exe,*,*,*,WheelStd,0,9
 
; firefox
; http://wriver.blogspot.com/2010/01/firefoxtrackpoint.html
*,*,firefox.exe,*,*,MozillaWindowClass,WheelVkey,0,9
 
; chrome
; http://blog.clock-up.jp/entry/2015/02/26/thinkpad-trackpoint-scroll-chrome
*,*,chrome.exe,*,*,Chrome_WidgetWin_1,WheelVkey,0,9
 
; Visual Studio 2010
; http://nx9420.blogspot.jp/2009/12/how-to-fix-ibm-lenovo-trackpoint-scroll.html
*,*,VWDExpress.exe,*,*,*,WheelStd,0,9
 
; for Visual Studio 2010
; http://winusb.at.webry.info/201011/article_1.html
*,*,devenv.exe,*,*,*,WheelStd,0,9
 
 
; VMWare
; http://isnism.com/log/2013-01-24-ID1550.html
*,*,vmware.exe,*,*,MKSEmbedded,SendInput,0,9
 
; VMWare-VMX
*,*,vmware-vmx.exe,*,*,MKSEmbedded,SendInput,0,9
 
; VMware Player
*,*,vmplayer.exe,*,*,*,WheelStd,0,9 
 
 
; gvim support
; http://vim.wikia.com/wiki/Fix_scrolling_when_using_Trackpoint
*,*,gvim.exe,*,*,*,WheelStd,0,9


※上記以外に紹介されている定義がありましたら、コメント欄に書いていただければ追記しておきます。

VMWareの場合は、さらに下記の定義を書くと良いらしいです。

[AutoScrollTable]
*,*,vmware.exe,*,smooth
*,*,vmware-vmx.exe,*,smooth
*,*,vmplayer.exe,*,smooth




ファイルを保存したら、PCを再起動させます。
試行錯誤している最中は、下記のプログラムをタスクマネージャから終了させて再起動させても良いです。
c:\Program Files\Lenovo\TrackPoint\tp4serv.exe
c:\Program Files\Synaptics\SynTP\SynTPEnh.exe


オマケ:スクロールカーソルをOffにさせる

センターボタン+スクロールがの振る舞いの問題とは別に、マウスカーソルの表示がおかしくなる症状が発生する場合があります。センターボタン+スクロールの操作中は、スクロール中が分かるものにマウスカーソルが変化するのですが、これが操作後に戻らない場合があります。

このような場合は、下記のレジストリを書き換えてSynTPEnh.exe を再起動させるとうまくいくかもしれません。
レジストリキーが無い場合は追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Synaptics\SynTPEnh
DWORD値 UseScrollCursor=0


面倒な場合は、以下のファイルを、changeScrollCursor.regとして保存し、ファイルをダブルクリックすればOKです。

Windows Registry Editor Version 5.00
 
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Synaptics\SynTPEnh]
"UseScrollCursor"=dword:00000000


http://forums.laptopvideo2go.com/topic/15103-latest-synaptics-touchpad-drivers/page-9より


いろいろ面倒ですが、一度設定してしまえば快適な操作環境が手に入るのでぜひ試行錯誤してみてください。



このシリーズ、現時点では下記の4つが販売されています。
この中でも、Bluetooth版はスリープ後の起動時にすぐ入力できないので、自宅で使うならUSB版がお勧めです。
(出先でスマホにつなげたい場合は、Bluetooth版でもOKかもしれません)
0B47208: USB接続 JIS配列

0B47190: USB接続 US配列

0B47181: Bluetooth接続 JIS配列

0B47181: Bluetooth接続 US配列

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