電子回路を作成する際、回路をON/OFFする為にトグルスイッチを使用する場合があります。
トグルスイッチには対象機器の特性や、スペース、想定する設置場所等によって、上向きや縦向きなど、様々な設置方向がありますが、縦置き式のトグルスイッチを設けた場合、上下どちらをONにすべきでしょうか?
トグルスイッチを縦置きで設置するする場合、モノがぶつかったりした時にスイッチが下に変わってしまう危険があります。
この為、トグルスイッチを上下どちらがONにすべきかを考える時は、”上でON、下でOFF”にするのが一般的です。
これは、地球には重力があるので、下方向に押し下げられる可能性の方が高いところから来ており、フールプルーフを意識した設計です。
同様の話としては、トグルスイッチでは有りませんが、水道のレバー式蛇口で同様の設計が行われています。JIS規格のJIS B2061を確認すると、以下の規定があります。
6.2 水栓の構造・形状・寸法 c)シングル湯水混合水栓の開閉操作方法は"下げ止水方式"とする |
水道の蛇口は、昔は”下げ止め方式”と”上げ止め方式”が混在していましたが、欧米で下げ止めが圧倒的に普及しており、2000年度末で下げ止め方式に統一されました。
製品事故に学ぶフールプルーフ設計
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昔、訓練学校の先生に聞いた話です。
危険を察知し、咄嗟にスイッチを入れる…と云ったシチュエーションは、殆んど、考えられませんが、逆に、咄嗟に切らなければならない事態は、日常でも、考えられうる事も多いでしょう。
そんな場合、人間が、瞬間的に反応する手の動きは「上から下」若しくは「右から左」です。実際、逆の方向には、動かし難い筈です。
そのような観点から、原則「左がオフ」「下がオフ」と、決められています。
お役に立てたら、幸いです。
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