論理が伝わる 世界標準の「書く技術」
2012/11/21 倉島 保美 (著) 2005年に有限会社ロジカルスキル研究所を設立 企業研修として、日本語および英語のライティングや論理的思考法、ディベート、プレゼンテーションなどを指導 |
アメリカでは常識のパラグラフ・ライティング
パラグラフ・ライティング、と呼ばれる技術があるそうで、アメリカでは、学生のうちに徹底して学ばれる文章のテクニックとの事です。パラグラフとは日本語で言うと段落の事です。この手法を、日本語にも応用し、紹介しています。
パラグラフ・ライティングで重要なポイントのは下記の3つです。
ポイント1: 1つのパラグラフでは1テーマだけ語る
まずは、文章はパラグラフの集まりとして構成し、ひとつのパラグラフでは扱う内容はひとつだけとします。文章全体でテーマとなる内容を伝え、それを分かりやすくするために、分解した形でパラグラフという単位を利用します。ひとつのパラグラフの中に複数の内容が盛り込まれている場合は、文章全体のリズムが崩れ、読み辛くなってしまいます。
こうなると、内容が伝わるかどうかという点においても、妨げとなってしまいます。
パラグラフの切れ目をどこに設定するか、よく考えながら構成を行っていきましょう。
ポイント2: パラグラフ間で内容の重複を避ける
次に、既に述べている内容を、他のパラグラフ内では述べない様にします。ひとつひとつが独立した内容を持ち、それを読み進めていく中で自然に結論にまで運ばれるというのが、読まれる文章、役に立つ文章という事になります。全体の中で情報が重複した部分があると、頭の中で理解を進めている流れもストップしてしまい、やはり内容が入って来なくなってしまいます。
いったん書き終えた文章を推敲する際に、このポイントを見逃さない様に気をつけましょう。
逆に言うと、内容の重複を発見した場合は、そのいずれかは削除したり、他の言葉に置き換えたりできるという事になります。
簡潔な中にも内容を濃くするために、これもとても重要です。
ポイント3: 各パラグラフは結論から
三つ目は、パラグラフの頭の部分に、その要約を提示するという事です。まずはそこに書かれている事の概要を読み手に把握させる事によって、その後の文章の趣旨がより伝わりやすくなります。特に、ある程度の量があって、複雑な内容を詳細に伝えたい時など、文章が長くなってしまう場合には効果的です。
いくつもの段階を経て、結局どこに向かって論旨が動いているのかが分からなくなってしまうと、読んでいる側からするとそこで集中力が途切れてしまいます。
戻って読み直すという作業はとても効率が悪く、文章の冒頭から構築して来た一本の線が切られてしまうので、上手い文章とは言えません。
本書ではこれらの基本ルールの説明に加えて、技術レポートや、社外文書などエンジニアに必要なドキュメント作成の具体例も紹介されています。
書評を読んで興味を持った本でしたが、評判が良かっただけあってとても役に立つ内容でした。
ここで学んだ書く技術を活かせば、人に読まれる、そして役に立つブログを書く事に、かなり近付けるでしょう。
論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 2012/11/21 倉島 保美 (著) |
[書籍紹介] 必要な情報がきちんと伝わる―そんな文章を書くにはパラグラフの概念が重要。 欧米では学生時代に徹底的に訓練される「パラグラフ・ライティング」の技法を 7つのポイントで分かりやすく解説。今日から使えるテクニック満載。 [目次] 第1部 なぜ伝わらない、どうすればいい 1 伝わらない文章がいっぱい 2 なぜパラグラフなのか 3 分かりやすさの基礎 第2部 パラグラフで書く 1 総論のパラグラフで始める 2 1つのトピックだけを述べる 3 要約文で始める 4 補足情報で補強する 5 パラグラフを接続する 6 パラグラフを揃えて表現する 7 既知から未知の流れでつなぐ 第3部 ビジネス実践例 1 通知文 2 技術レポート 3 社外文書 |
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